歯科

当院の歯科の特徴

ホームドクターとして歯科診療に対応

「口が臭う」「歯石がついている」といったお口のトラブルは、見過ごされがちですが、実は動物の生活の質(QOL)や健康寿命に大きく関わる重要な問題です。
3歳以上の犬・猫の多くが何らかの歯周疾患を抱えているといわれており、お口の中の細菌感染は、心臓や肝臓、腎臓といった全身の健康にも影響を及ぼすことがわかってきています。
当院では、歯科を「見た目のケア」ではなく、動物の一生涯に関わるホームドクターとして欠かせない診療領域のひとつと位置づけ、日々の診療にあたっています。

安全に配慮した歯科診療

歯科治療には全身麻酔を伴うことが多く、飼い主様にとって「麻酔をかけて大丈夫だろうか」というご不安は非常に大きいものだと理解しています。
当院では、麻酔をかける前の血液検査や画像検査による全身状態の確認を徹底し、処置中も継続的なモニタリングを行うことで、できる限り安全に配慮した歯科診療を行っています。

二次診療に近いレベルの治療にもつなげられる体制

また、歯科領域についても獣医師が学会に所属し、院内セミナーや学会参加を通じて知識と技術の向上に努めており、当院内での対応が難しい複雑な症例については、大学病院や歯科の専門医・認定医とすぐに連携できる体制を整え、二次診療に近いレベルでの治療にもつなげられるようにしています。

インフォームドコンセントを徹底

治療方針を決める際には、インフォームドコンセントを徹底し、飼い主様のご理解度に合わせた言葉で、口腔内の状態や治療の選択肢、費用の目安を丁寧にご説明します。歯を抜くか、それとも残す治療を行うか、どこまでの処置を望まれるかは、病院が一方的に決めるものではなく、飼い主様が主体的にご判断いただけるよう、選択肢とそれぞれのメリット・デメリットを丁寧にお伝えしています。

スピード感を持って検査・診断

お口のトラブルは、放置すればするほど痛みや炎症が進み、飼い主様の不安も大きくなっていきます。当院では、年中無休の診療体制のもとスピード感を持って検査・診断を行い、「病院都合で先送りにしない」対応を大切にしています。「最近口臭が気になる」「歯茎が赤い気がする」といった些細な変化でも、どうぞお気軽にご相談ください。当院は、飼い主様とペットのすぐそばで、お口の健康を長く支え続ける存在でありたいと考えています。

  • 口臭が強くなった、においが気になるようになった
  • 歯に茶色や黄色の歯石がついている
  • 歯茎が赤い、腫れている、出血している
  • よだれの量が増えた、よだれに血が混じっている
  • 食べ方がおかしい、片側だけで噛んでいる
  • 硬いものを噛むのを嫌がるようになった
  • 食欲はあるのに、うまく食べられていない様子がある
  • 前足で口の周りを気にする、こすろうとする
  • 歯がぐらついている、抜けてしまった
  • 歯が欠けている、折れている
  • 顔が腫れている、特に目の下が腫れている
  • 口の中にできもの・しこりのようなものがある
  • くしゃみや鼻水が続いている(歯の根の炎症が関係することがあります)
  • あくびを途中でやめるような仕草が増えた
  • 毛づくろいをしなくなった、元気がない

お口のトラブルは、見た目だけでは進行度がわかりにくいという特徴があります。歯茎の表面は軽い炎症に見えても、歯を支える骨がすでに大きく溶けていることも珍しくなく、レントゲンなどの精密な検査によって初めて実態が判明するケースも少なくありません。また、歯の破折を放置すると、細菌が歯の内部から顎の骨まで達し、目の下の腫れや強い痛みを引き起こすこともあります。特に猫は痛みを隠す習性が強く、「あくびを途中でやめる」「片側だけで噛む」といった些細な仕草が、実は激しい痛みのサインであることもあります。「歯石がついているだけだから」「そのうち様子を見よう」と放置してしまうと、症状が進行してから気づくことも多いため、当院では年中無休の診療体制を活かし、気になる変化があれば早めにご相談いただくことをおすすめしています。

診療時間/9:00~12:00、16:00~19:00、20:00~22:00

当院の歯科で実施している検査

問診・視診

口臭や食べ方の変化、症状の経過などの聞き取り

口腔内検査

歯・歯茎・粘膜の状態の確認、歯周ポケットの測定

レントゲン検査

歯の根や顎の骨の状態など、表面からは見えない部分の確認

血液検査

麻酔前の全身状態の確認、内臓機能の評価

胸部レントゲン検査

必要に応じた心肺機能の確認

麻酔下での精密検査

意識下では確認が難しい歯周ポケットや動揺度の測定

病理検査

口腔内のできものが疑われる場合の組織検査

CT検査

顎の骨の状態や、歯の根・埋伏歯の位置関係の三次元的な評価

歯科の検査で特に重要なのが、歯科用レントゲンによる「見えない部分」の確認です。歯茎の表面の状態だけを見て「軽度」と判断してしまうと、実際には歯の根の周囲や顎の骨に深刻な病変が進行していることを見落としてしまう可能性があります。当院では、歯科用レントゲンによって歯の根の状態や骨の吸収度合いを確認したうえで、抜歯が必要か、歯を残す治療が可能かを慎重に判断しています。

また、歯科治療の多くは全身麻酔を伴うため、麻酔前の血液検査や画像検査による全身状態の評価を徹底し、できる限り安全に配慮した診療を行っています。
検査の結果、当院での対応が難しい複雑な症例については、大学病院や歯科の専門医・認定医へ速やかにご紹介し、紹介後のアフターケアについても当院が責任を持って継続して担当いたします。

血液・ホルモン検査機
血液・ホルモン検査機

犬で多い歯科の病気

歯周病

歯垢・歯石の蓄積による歯茎や歯を支える組織の炎症

歯の破折

硬いものを噛むことによる歯の欠け・折れ

根尖周囲病巣

歯の根の先端に炎症が広がる病気、顔の腫れの原因になることがある

未萌出歯・埋伏歯

歯茎の中に埋まったままの歯、周囲に病変ができることがある

口腔内腫瘍

歯茎や口の中にできる良性・悪性のできもの

乳歯遺残

乳歯が抜けずに残ることで永久歯の生え方に影響する状態

歯肉増殖症

歯茎が過剰に増殖し、歯を覆ってしまう状態

犬の歯科疾患の中でも特に多いのが歯周病です。歯垢はわずか数日で歯石へと変化し、歯石の表面はさらに細菌がつきやすい構造になっているため、放置すると炎症が進行しやすくなります。歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶け、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあります。

また、大型犬や噛む力の強い犬種では、硬いおもちゃや骨などを噛むことによる歯の破折もよく見られます。神経が露出した状態を放置すると、細菌が歯の内部から顎の骨まで達し、強い痛みや顔の腫れを引き起こすことがあります。歯の破折に気づいた場合、抜歯だけでなく、歯を保存するための処置が可能なケースもありますので、早めにご相談いただくことで治療の選択肢が広がります。

犬種や年齢によっても歯科疾患の傾向は異なりますので、定期的な口腔内チェックを通じて、早い段階での対応を心がけていただくことが大切です。

猫で多い歯科の病気

歯周病

犬と同様、歯垢・歯石の蓄積による炎症

猫の吸収病巣

歯の根元から徐々に溶けていく猫特有の病気

慢性歯肉口内炎

歯茎や口腔内粘膜に広範囲な炎症が生じる病気

乳歯遺残

永久歯の生え方に影響する乳歯の残存

口腔内腫瘍

口の中にできる良性・悪性のできもの

猫の歯科疾患では、吸収病巣と慢性歯肉口内炎が特に注意すべき病気です。

吸収病巣

吸収病巣は、歯が内部から徐々に溶けていく進行性の病気で、多くの猫に見られるといわれていますが、原因は完全には解明されていません。歯の表面からは分かりにくいことも多く、レントゲン検査によって初めて発見されるケースもあります。

慢性歯肉口内炎

慢性歯肉口内炎は、歯茎や口腔内の粘膜に広範囲な炎症が生じる病気で、人間が想像する以上の激しい痛みを伴うことがあります。

些細な変化が口の中の痛みのサインである場合も

猫は痛みを隠す習性が強いため、「食欲はあるのにうまく食べられていない」「毛づくろいをしなくなった」といった些細な変化が、実は口の中の激しい痛みのサインであることも少なくありません。内科的な治療で改善が難しい場合には、抜歯という選択肢が症状の緩和に大きく貢献することもあります。猫は口の中を触られることを嫌う動物ですので、当院ではできる限りストレスの少ない診察を心がけながら、丁寧に口腔内の状態を確認しています。

当院での歯科診療実績

当院では、年中無休の診療体制のもと、日常的な歯石除去やクリーニングから、歯の破折に対する治療、猫の慢性歯肉口内炎に対する処置まで、幅広い歯科診療にあたってきた実績がございます。「口臭が気になる」「歯石がたまってきた」といった比較的軽度なご相談から、「歯が折れてしまった」「顔が腫れてきた」といった緊急性の高いご相談まで、年中無休の体制を活かして丁寧に対応してまいりました。

当院は一次診療の動物病院ではありますが、レントゲンやCTをはじめとする専門的な検査機器を活用し、二次診療に近いレベルでの診断・処置が可能な体制を整えています。麻酔前の血液検査や画像検査による全身状態の評価を徹底し、できる限り安全に配慮した歯科治療を行うことを大切にしてきました。
当院での対応が難しい複雑な症例、例えば歯を残すための専門的な処置や、広範囲にわたる口腔外科手術が必要な場合には、大学病院や歯科の専門医・認定医へ速やかにご紹介する連携体制を構築しています。

紹介後についても、当院が窓口となって経過を把握し、日常的な口腔ケアの継続指導やアフターケアについて責任を持って担当いたします。歯科は一度治療をして終わりではなく、その後の口腔内環境を維持していくことが重要な診療科であるからこそ、当院では長期的な視点で飼い主様と伴走し、「この病院なら任せられる」と思っていただけるような診療実績を積み重ねてまいりました。

当院での歯科における治療法

当院の歯科治療は、口腔内検査と歯科用レントゲンによって得られた客観的なデータをもとに、根拠に基づいた治療方針をご提案することを基本としています。

歯周病

歯周病に対しては、歯垢・歯石の除去(スケーリング)と表面の研磨(ポリッシング)を行い、症状の程度に応じて歯周ポケットの処置や、必要な範囲での抜歯をご提案します。

歯の破折

歯の破折については、神経の状態や損傷の程度を確認したうえで、可能な限り歯を残すための処置を検討し、保存が難しいと判断された場合には抜歯という選択肢についても丁寧にご説明します。

猫の慢性歯肉口内炎

猫の慢性歯肉口内炎など、内科的な治療だけでは改善が難しいケースについては、抜歯によって症状の大幅な緩和が期待できることも多く、飼い主様のご意向を確認しながら治療方針を決定していきます。

歯科治療の多くは全身麻酔を伴うため、当院では麻酔をかける前の全身状態の確認を徹底し、処置中も継続的なモニタリングを行うことで、安全性への配慮を最優先にしています。高齢の犬・猫や持病をお持ちの子であっても、年齢だけを理由に治療を諦める必要はなく、全身状態を丁寧に評価したうえで、麻酔が可能かどうかを慎重に判断しています。

当院だけで対応が難しい複雑な症例については、大学病院や歯科の専門医・認定医と連携し、より専門的な治療につなげる体制も整えています。連携後についても、当院が継続して経過を把握し、日常的な口腔ケアのアドバイスなど、身近なホームドクターとしての役割を担い続けます。治療をどこまで行うかは、飼い主様のご意向を第一に、ご相談しながら柔軟に対応いたします。

当院での歯科治療の流れ

ご予約・お問い合わせ

お電話またはLINE予約より、口臭や歯石など気になる症状をお伝えください。顔の腫れや強い痛みが疑われる場合は、その旨をお申し付けいただけますとスムーズにご案内できます。

電話で予約
問診

症状に気づいた時期、食べ方の変化、口を気にする仕草の有無などを詳しくお伺いします。

問診票
口腔内検査

歯や歯茎の状態、歯石の付着具合、口臭の程度などを確認し、この時点で考えられる治療の方向性についてご説明します。

血液検査などの術前検査

全身麻酔を伴う処置が必要な場合、事前に血液検査や画像検査を行い、麻酔が可能な状態かを確認します。

血液化学検査器
歯科用レントゲン検査を含む精密検査

麻酔下で歯周ポケットの測定や歯科用レントゲンによる精密な検査を行い、歯を残せるか、抜歯が必要かを判断します。

検査結果のご説明と治療方針のご相談

検査結果をもとに、考えられる治療内容や費用の目安を、専門用語をできるだけ避けながら丁寧にご説明します。歯を残す治療と抜歯、それぞれのメリット・デメリットも含めてお伝えし、どこまでの治療を希望されるかを一緒に検討します。

治療の実施

ご納得いただいた治療方針に基づき、スケーリングや抜歯、歯を残すための処置などを行います。

術後のケアと定期検診のご案内

処置後の痛み管理や経過観察を行うとともに、ご自宅でのケア方法についても丁寧にご案内し、再発を防ぐための定期検診をおすすめします。

待合室
必要に応じた専門施設との連携

より高度な処置が必要と判断した場合には、大学病院や専門医をご紹介し、その後のアフターケアも当院が継続して担当します。

歯科のお悩みは、放置すると痛みや炎症が進みやすく、飼い主様の不安も長引きやすいものです。当院ではこの一連の流れを「病院都合で先送りにしない」スピード感で進めることを大切にしており、検査結果や治療方針はできる限り早くご説明し、疑問や不安を感じた際にはいつでもご相談いただける体制を整えています。

  • 日頃から口臭や歯茎の色、歯石の付着状況を観察しておくこと
  • 食べ方や噛み方に変化がないか、日々の食事の様子に注意を払うこと
  • 「歯石がついているだけ」と軽視せず、気になったら早めに受診すること
  • 猫は痛みを隠しやすいため、あくびの仕方や毛づくろいの様子など細かなサインに目を向けること
  • 定期的な健康診断の際に、口腔内のチェックもあわせて行うこと
  • 子犬・子猫の頃から口を触られることに慣らし、日常的なケアを取り入れること
  • 歯が折れた、ぐらついているなど明らかな異常があれば速やかに受診すること
  • かかりつけの動物病院を決めておき、口腔内の状態の経過を継続的に共有できる関係を築いておくこと

定期的な口腔内チェックが大切

歯科疾患は、歯茎の表面の見た目だけでは進行度がわかりにくく、飼い主様が異変に気づいたときにはすでに歯を支える骨まで影響が及んでいることも少なくありません。だからこそ、症状が出てから対応するのではなく、定期的な口腔内チェックや健康診断のタイミングであわせて歯科の状態を確認しておくことが、早期発見のために重要です。特に猫は痛みを隠す習性が強く、日常のちょっとした仕草の変化からしか異変に気づけないこともあるため、飼い主様の日頃の観察が大きな手がかりになります。

飼い主様によるご自宅でのケアも大切

また、早期発見のためには、動物病院での検査だけでなく、ご自宅での継続的なケアも大切な役割を果たします。子犬・子猫の頃から口の中を触られることに慣らしておくことで、歯みがきなどの日常的なケアを無理なく取り入れやすくなり、結果として歯科疾患の予防にもつながります。

当院では、飼い主様の日々の気づきを診断の重要な手がかりとして真摯に受け止め、必要な検査へとつなげています。年中無休の診療体制を整えているのも、「気になったときにすぐ相談できる」環境を提供したいという思いからです。お口の健康は、全身の健康にも直結する大切な要素だからこそ、些細な変化でも遠慮なくご相談ください。

歯科におけるQ&A

Q.麻酔をかけての歯科処置に不安があります。高齢でも受けられますか?

A.年齢だけが麻酔の障壁になるわけではありません。心臓や腎臓などの機能に深刻な問題がなければ、事前の血液検査や画像検査による全身状態の評価と、処置中の継続的なモニタリングのもとで対応可能な場合が多くあります。むしろ、痛みを放置することで全身状態が悪化してしまうケースもありますので、まずは検査を受けて現在の状態を確認することをおすすめしています。

Q.無麻酔での歯石除去はできますか?

A.歯周病の炎症の多くは歯茎の中の見えない部分で進行しているため、無麻酔での処置ではその部分を十分に洗浄することができません。また、処置中の急な動きによる怪我のリスクや、表面に細かな傷がつくことでかえって汚れが再付着しやすくなることもあるため、当院では推奨しておりません。安全性と効果を両立するため、全身麻酔下での丁寧な処置をご案内しています。

Q.歯が折れてしまいましたが、抜歯するしかないのでしょうか?

A.折れ方や神経の状態によっては、歯を残すための処置が可能な場合があります。歯科用レントゲンで根の状態を確認したうえで、保存できるかどうかを判断いたしますので、まずは早めにご相談ください。

Q.治療費用はどれくらいかかりますか?

A.処置の内容や麻酔の有無、抜歯の本数などによって費用は大きく異なります。当院では、事前の検査結果をもとに、想定される費用の目安を具体的にお伝えし、飼い主様にご納得いただいたうえで処置を進めるようにしています。

Q.歯石除去をした後、また歯石はつきますか?

A.処置後も何もケアをしなければ、歯垢や歯石は再び付着していきます。ご自宅での歯みがきなどの日常的なケアを取り入れていただくことで、再付着のスピードを緩やかにすることができます。当院では、ご自宅でのケア方法についても丁寧にご案内しています。

Q.当院で対応できない場合はどうなりますか?

A.広範囲にわたる口腔外科手術など、当院での対応が難しいと判断した場合は、大学病院や歯科の専門医・認定医をご紹介いたします。ご紹介後も、日常的な口腔ケアの継続指導やアフターケアについては当院が継続して担当いたしますので、「紹介されたら終わり」ということはございません。安心して当院にご相談ください。